Jun 30, 2012

フォークランド(マルビーナス)諸島とアルゼンチンと私(1)

  1982年、軍事政権のアルゼンチンは英領フォークランド諸島に42日に侵攻し、74日後、敗北しました。

  アルゼンチンでは42日は「マルビーナス(フォークランド)紛争戦没者追悼の日」で、 フォークランド諸島では、6月14日が「開放記念日」です。

ロスロード沿いにある海に向うベンチ
  

"From the sea, Freedom"

 この日は「海の向こうから(英国軍が)来て(アルゼンチン侵攻軍から)開放した」日です。


 
 毎年、フォークランド諸島のスタンレーの町では、「開放のモニュメント」で戦死者を弔う追悼集会が開かれます。

 今年は約350人が集まり、イギリスから来た当時戦った元兵士も参加しました。



  
 同日、我が大統領のクリスティーナ・フェルナンデスは、植民地の独立を監視する国連の委員会に出席し、「マルビーナス(フォークランド)はアルゼンチンのものだと無理に言わせようとは思わない。話し合いの場を持ちたいだけだ」と領有権を議論するよう、1833年から実効支配をしている英国に求めました。

 参加した諸島の自治政府立法議員が、島民の声の手紙ををクリステーィナ大統領に渡そうとしましたが、クリスティーナは拒否しました。今でもアルゼンチン政府は島民の意見を無視しています。


  アルゼンチン政府は、フォークランド諸島への船の入港拒否をしたり、最近はロンドンオリンピックに向けて、島民を怒らせるコマーシャルをテレビで放映もしました。
英国の油田開発の探査調査船


 また、諸島沖で海底油田の存在が確認され、英国が2016年の生産を目指しているので、大統領は「我々の資源が略奪されている」と非難し、諸島沖で油田探索を行っている5企業を提訴すると宣言しています。




 こんな状況の中、島の自治政府は去る612日に諸島の帰属に関する住民投票を実施する方針を発表しました。
 
  キャメロン英首相は、住民がアルゼンチンへの帰属を求めない限り、返還を拒否する方針なので、英国は住民投票の結果を尊重すると表明しています。

ゆっくり!地雷地
 
諸島には英国系の住民が多く、英領として望む意見が多いです。

彼たちは「我々は180年間も住んでおり、孫で8世代目もいます。島民は1番目にフォークランド、2番目に英国」と語っています。
 
 この30年前に起こった紛争を島民は、まだ昨日のように覚えています。そしてスタンレーの近辺に残っている地雷と共に生活してきた、紛争を知らない若い世代たちも、アルゼンチン政府とは携わりたくないと思っています。



現地でこんな看板も!




 
 
 
 この紛争4年後のサッカーワールドカップで、アルゼンチン代表はイギリスと対戦して、マラドーナの「神の手」で勝利しました。そして今でも、アルゼンチン国民はイギリスと試合がある度に、自国に対する強い愛国心があふれてくると言います。

  その心境の背景には、きっと敵と味方として対戦したフォークランド紛争に根ざすものがあるのでしょうか。



Jun 20, 2012

招き猫が流行っている?

 テレビを観ていたら、なんとニュースで招き猫が紹介されていました。

 
 そういえば、雑貨屋さんや洋服屋さんに行くと、時々招き猫が飾られています。


 ベルグラーノ地区にある中華街で買えますが、最近、CHINA TOWN以外でも招き猫が販売されていて、人気を浴びているそうです。




 

  ブエノスアイレスのファッションエリア・パレルモソーホにアルゼンチンで最も有名なテレビ司会者の娘さんがオープンした洋服屋さんのウインドーには、なんと「招き猫、招き猫、招き猫、招き猫」でした。 数えたら48個も!中華街の招き猫を買い占めたのでしょう。
 
 こんなステキに飾るのは、さすがセンスの良いアルゼンチン人です。



   道端にも、招き猫が売られています。145ペソ(約800円)、電池入りで大きいのは65ペソ(約1100円)で、アルゼンチン人には安くありませんが、売っているお姉さんによると、1日に34個は売れているそうです。
 
 インフレが20%以上も上昇し、物価が上がったアルゼンチンでは、「福を呼ぶ猫」を求むアルゼンチン人が増えているのは確かです。



 
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Jun 9, 2012

鍋たたき抗議

 531日の夜8時ごろ、パレルモ地区周辺のマンションで、日本人の方たちと夕食していたら、「カンカンカンカンカンカン」という音が外から聞こえてきました。ベランダに出たら、フライパンや鍋の底を叩く人があちらこちらいました。その金属音は1520分ぐらい続きました。

アルゼンチンの200112月を思い出しました。当時、噂されていた債務不履行が表面化し、預金引出制限、国際通貨基金の追加融資見送りによってペソ切り下げ不安が現実化されました。また、国中の町で貧困に苦しむ中産階級の人びとが鍋叩きを繰り広げ、デラルア政権が崩壊しました。

 「これはCACEROLAZO(カセロラッソ)。CACEROLA(カセロラ)はスペイン語で鍋の意味で、民衆が台所から鍋を持ち出し、政府に訴える抗議です」と日本人女性郡に説明しました。

 鍋の音に迎合してクラクションをならして通る車を見ながら、「この鍋たたきデモは、2001年のアルゼンチン経済危機に行われたデモのしかたです。今回はインフレや治安悪化の国状を訴えています。」と続けました。


 「当時は、深夜11時ごろ、自発的に民衆がマンションのベランダに出て鍋を叩き、ブエノスやアルゼンチンの中心都市の交差点に集まりカセロラソが行われていました。政党グループではなく、中流階級のプロテストでした。今回は、Facebook やTwitterの呼びかけで行われています。」
 
 翌日の61日そして7日にも、ブエノスの中流階級の多い、ベルグラーノ、カバジート、レコレッタ、パレルモ地区、そしてオリーボス地区にある大統領官邸の前や5月広場でも集まりました。現地の報道によると、各集会所には300人ぐらいの人が見かけられました。




                      6月7日夜のカセロラソ
 
 政府は昨年10月から、時刻のドル保有を上げるため、アルゼンチン人によるドル購買の制限や輸入を規制しています。こんな対策が続くと、ベネズエラ国になる可能性があるというアナリストもいます。 


  「アルゼンチンで、経済危機は10年ごとに起こる」とみんな知っているアルゼンチン人。
経済破綻の2001年から11年経ちました。そろそろ何が起こってもおかしくないアルゼンチン。

 

Jun 1, 2012

新鮮な野菜とフルーツが、直接、食卓へ



 ブエノスアイレスの街に住んでいる私たちが食べる野菜やフルーツは、通常、地方から中央市場(MERCADO CENTRAL)へ運ばれ、八百屋さんやスーパーなどへ流通されます。

 中央市場で買うと、近所の八百屋さんやスーパーより60%ぐらい安いですが、「バナナ10キロ、ニンジン5キロ、ジャガイモ50キロ」と品物を大量に買わないといけません。そして、アクセスも良くありません。

 経済危機が起こった2001年ごろ、家の経済を守るため、近所の奥さんや親戚や友人同士が集まり、中央市場へ共同買い物をし始めました。今でも下流家庭のエリアでは週に1回、メルカド セントラルへ買い物ツアーが行われています。

 今まで高額ではなかった野菜やフルーツは、最近インフレのおかげで値段が上昇しています。

 こんな状況の中、LA BARATA DEL CENTRALというサイトでは、毎週、中央市場から野菜とフルーツボックスのデリバリーサービスが行われています。

  時間がなく買い物嫌いの私は「これはなんとすばらしい!」と思いました。それに、流通センターは家から5ブロック(約500m 徒歩10分)の距離!早速ネットで注文し、翌日、取りに行きました。

更に便利、フレッシュ、安い、おいしい!
 
パレルモの流通センター

サイトで注文されたボックス

 毎週、この箱の中身は変わり、ネットそしてフェイスブックで知らせてくれます。
  
 この箱のフルーツや野菜は2人用なので、忙しい独身の方やカップルなどにはお勧めです。


 
 

 今週のボックスは、ジャガイモ(4個)、トマト(2個)、たまねぎ(3個)、レタス(2束)、りんご(2個)、キャベツ(450g)、オレンジ(3個)、ニンジン(2個)、バナナ(2個)、南米かぼちゃ(1個)、スイートポテト(2個)、きゅうり(1個)、みかん(4個)、青ピーマン(1個)、グレ-プフルーツ(2個)、ほうれん草(3束)、とうもろこし(1個)


   値段は50ペソ(約950円)、デリバリ料金は10ペソ(190円)追加。


確かに、近所のスーパーで買うより新鮮で、野菜の色が生き生きしていて、美味しそうに見えます! 

 今のところ、宅配地区はパレルモ、ベルグラーノ、ビージャクレスポ、コレヒアレースとチャカリタ地区のみですが、将来は他の地区にも宅配サービスを広げる予定です。この範囲に住んでない方は、ネットでオーダーし、パレルモ・ハリウッドにある流通センターでピックアップできます。
  
 今年、チェフのROMINA FIGLIOZI(ロミナ・フィグリオジ)さんが「中央市場の安く新鮮な野菜とフルーツを直接、食卓へ!」と考え、このビジネスを始めました。

流通センターの事務?

 サイトには野菜やフルーツを使ったレシピや保存方法やヘルシーな食べ方の記事が掲載されています。肉がメインのアルゼンチン食卓で、更に野菜やフルーツが取り入れらるのはいい事だと思います。
 私も、もう少しフルーツを食べるようになるかも。



La Barata del Central  www.labaratadelcentral.com.ar
Nicaragua 5539. Palermo Hollywood.
Tel. 4776 8840
https://www.facebook.com/LaBarataDelCentral

 
 *上記料金は現在6月の料金です。 



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